「ディアブロ IV」におけるダメージ計算の手法についても全面的な見直しが行われます。以前はクリティカルヒットダメージや脆弱状態ダメージ、オーバーパワーダメージなどのダメージソースは異なるカテゴリーに属しており、これらのカテゴリーが組み合わさると、各カテゴリーの追加ダメージすべてが一緒に乗算されていました。
そのため、クリティカルヒットダメージボーナスと脆弱状態ダメージボーナスを可能な限り増やしてから、脆弱状態の敵にクリティカルヒットすることがダメージを増やす最善の方法となっていました。これら2つのカテゴリーは発動率が3%に固定されているオーバーパワーダメージなどよりも発動させやすかったため、この乗算のシナジーを利用しないほとんどのビルドは選択肢に入らない状態となっていました。
「渇望の鮮血」シーズンでは、この点が変更されます。今後もダメージカテゴリーは複数存在しますが、各カテゴリーで発生するボーナスダメージの基本値のみが乗算で計算され、それ以外のボーナスダメージは組み合わせた際に加算で計算されるようになります。各カテゴリーのボーナスダメージの基本倍率は以下のとおりです。
また計算方法における問題点をいくつか修正したので、「渇望の鮮血」シーズンでは、オーバーパワーダメージのダメージソースとしての価値が以前よりも高まります。
また、キャラクタープロフィールにボーナスダメージが表示されるようになりますが、内部で行われる計算は若干複雑です。以下の例で、計算方法についての解説いたします。
これは、プレイヤーが敵に与える脆弱状態ダメージボーナスを示しています。プレイヤーはまず脆弱状態ダメージの通常倍率としてx20%のボーナスダメージを獲得し、さらに装備によって+18.0%され、ほかに脆弱状態ダメージボーナスはありません。合計脆弱状態ダメージボーナスの計算式は以下の通りです。
(1 + 加算ボーナス) * (1 + 最初の乗算ソース) * (1 + 2つ目の乗算ソース) * (1 + 3つ目の乗算ソース) – 1
この例では、以下のように計算されます。
= (1 + .18) * (1 + .2) -1
= (1.18) * (1.2) – 1
= 1.416 – 1
= .416 または 41.6%
ツールチップが極端に長くならないように、ダメージの追加の乗算ソースは表記されません。このようなタイプのダメージボーナスは全体としては珍しいものなので、ツールチップに含める重要性は比較的低くなっています。加算ボーナスだけだとするとダメージボーナス値の計算が合わない場合は、キャラクターが乗算ダメージボーナスを獲得している可能性が高いでしょう。
結論を言えば、上記の変更により以下の結果が得られると考えています。
異なるダメージタイプを組み合わせることで得られるボーナスの基準値を低下させた一方、あるパワーを採用し、それを中心としたビルドを組むという形で乗算ダメージを再導入することもできるという、エキサイティングなデザインの余地も作ることができました。これらの変更の全体的な狙いは、プレイヤーが主要なダメージソースに注力することに意義を持たせ、有力な選択肢としつつ、キャラクターのカスタマイズやゲームの進展に伴い、別の方法でダメージを増やすこともできるようにすることにあります。